2016年10月27日

平成28年度 技術士第一次試験問題 情報工学部門 V−7

V−7
プロセッサのアーキテクチャに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 @ 1ステージがPナノ秒で実行されるステージ数Dのパイプラインにおいて、N個の命令の
   実行が完了する最短時間は、N×P/Dナノ秒である。
 A VLIW方式では、複数個の命令が同時に実行されるが、命令の実行中に命令間の
   依存関係をプロセッサが検知した場合には、命令の実行が中断される。
 B スーパースカラとは、複数個のパイプラインをプロセッサに備えることにより、パイプライン
   ハザードを回避する技術である。
 C スーパーパイプラインとは、命令実行の各ステージを細かく分割することにより、
   パイプラインの動作の効率を向上させる高速化技術である。
 D パイプラインにおける構造ハザードとは、プログラムにある条件分岐が原因となり
   ストールする現象である。




【正解】 C
@ステージ数D、命令数Nを投入すると
 以下のように平行して実行される。

 @AB・・・・N
 1
 21
 321
 ・・・・・
 D・・・・1
  D・・・21
   D・・・21
    ・・・・2
     ・・・・
       D・
        D

 CPU1サイクルで、上記1行分の命令を行うことができるので
 上記はN+D−1サイクルで実行が完了する。
 従って、最短時間は、(N+D−1) ×Pナノ秒である。
A
VLIW (Very Long Instruction Word) は、複数の命令を非常に長い1つの
 命令で同時に実行する方式のこと。
 命令間の依存関係がないように考慮され、命令が並び替えられている。
Bスーパースカラは、複数個のパイプラインをプロセッサに備えることにより、
 複数の命令を同時に実行できるようにするCPUの高速化技術の一つ。
 パイプラインハザードを回避する技術ではない。
C正しい。
D分岐ハザードの説明である。
パイプラインハザードは以下の3つがある。
データハザード:直前の命令の処理結果を参照するような場合に、実行結果を
 待たなければ処理を進められない現象のこと。
構造ハザード:複数の命令が同じタイミングでハードウェア資源にアクセスしようした時に
 競合が発生し、処理できなくなる現象のこと。
分岐ハザード:プログラムにある条件分岐が原因となり、ストール(停止状態)する
 現象のこと。


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posted by ファーストマクロ at 19:03| Comment(0) | H28技術士一次試験(情報工学)
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