2018年11月01日

平成30年度 技術士第一次試験問題 情報工学部門 V−11

V−11
プロセッサのアーキテクチャに関する次の記述のうち、最も適切な
ものはどれか。

 @ 1ステージがPナノ秒で実行されるステージ数Dのパイプラインにおいて、N個の命令の
   実行が完了する最短時間は、N×P/Dナノ秒である。
 A VLIWでは、複数個の命令が同時に実行されるが、命令の実行中に命令間の
   依存関係をプロセッサが検知した場合には、命令の実行が中断される。
 B パイプラインにおける構造ハザードとは、プログラムにある条件分岐が原因となり
   ストールする現象である。
 C 複数個のパイプラインをプロセッサに備えることにより、パイプラインハザードを回避
   する高速化技術をスーパースカラという。
 D 命令実行の各ステージを細かく分割することにより、パイプラインの動作効率を
   向上させる高速化技術をスーパーパイプラインという。



【正解】 D

@ステージ数D、命令数Nを投入すると
 以下のように平行して実行される。

 @AB・・・・N
 1
 21
 321
 ・・・・・
 D・・・・1
  D・・・21
   D・・・21
    ・・・・2
     ・・・・
       D・
        D

 1ステージで、上記1行分の命令を行うことができるので
 上記はN+D−1ステージで実行が完了する。
 従って、最短時間は、(N+D−1) ×Pナノ秒である。
A
VLIW (Very Long Instruction Word) は、複数の命令を非常に長い1つの
 命令で同時に実行する方式のことである。
 命令間の依存関係がないように考慮され、命令が並び替えられている。
B分岐ハザードの説明である。
 
パイプラインハザードは以下の3つがある。
  データハザード:直前の命令の処理結果を参照するような場合に、実行結果を
   待たなければ処理を進められない現象のこと。
  構造ハザード:複数の命令が同じタイミングでハードウェア資源にアクセスしようした時に
   競合が発生し、処理できなくなる現象のこと。
  分岐ハザード:プログラムにある条件分岐が原因となり、ストール (停止状態) する
   現象のこと。
Cスーパースカラは、複数個のパイプラインをプロセッサに備えることにより、
 複数の命令を同時に実行できるようにするCPUの高速化技術の一つである。
 パイプラインハザードを回避する技術ではない。
D正しい。

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posted by ファーストマクロ at 21:32| Comment(0) | H30技術士一次試験(情報工学)
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